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ネイティブガンダム [リマスター版]
ネイティブガンダム [リマスター版] 第5回
第5話「大気圏突入」

【推移する舞台】
TV シリーズの醍醐味とは、30分ずつのブロックを重層的に積み上げていくことで生まれるもの。『ガンダム』の場合は、スペースコロニー内部から真空の宇宙空 間、小惑星から地上へと随時移動していくSF的な舞台が変化の中心となっている。第5話も、宇宙と地表を隔てる「大気圏」を舞台とすることで、シリーズの 転換エピソードを描いているが、それをガンダムの傑出したヒーロー的性能と結びつけて描いているのが素晴らしいバランス感覚である。


【ガンダムハンマー】
劇 場版では新作画までされながら徹底的に削除されてしまった「封印された武装」である。「トゲのついた鉄球」という外観はモーニングスターという古典的武器 からの発想で、これぞネイティブという野趣に充ちている。リアルな兵器という後から確定していったガンダムのイメージに似つかわしくないと認識されている のかもしれないが、手足のついた兵器のもつ特徴と、燃料やガスなどの浪費を避けるべき宇宙空間での有用性をあわせ考えると、慣性質量による大打撃というの は、案外モビルスーツに最適な武器ではないかと思える。

【耐熱フィルム】
真 空の宇宙から大気圏へ自由落下した際に高熱が発生し、進入角度によっては機体を燃え尽きさせてしまう……これが今回のクライシス(危機)だ。これは「摩擦 熱」によるとされることが多いが、実は不正確な表現。厳密には「空力加熱」と呼ばれる現象で、前方の空気が断熱圧縮されて高温化するものなのだ。燃え尽き るザクも空気との摩擦で削られたわけではなく、台本上でも「外壁が灼熱化して溶ける」と明言されており、科学的に正確な描写にこだわっている。ガンダムの 股間から出る耐熱フィルムは、劇場版ではシールドを使った耐熱フィールドに改訂されているが、フィルムの形状さえ高熱の空気が逃げるようなコーン状であれ ば、TV版の方が意外と現実的ではないかと現在では専門家にも言われている。

氷川竜介(アニメ評論家)

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