早いもので22回も連載を続けさせていただき、ゆっくりした歩みでジャブローの実現を検討させていただいているファンタジー営業部員。ここでこれまでのわれわれ仮説およびペンディング事項を確認、整理すると共に、最近特によくご質問をいただく「ジャブローの全体像って分かるのですか?」(要するに「大丈夫ですか?」という皆さまからの暖かいご心配(苦笑))という課題を考えてみたい。
| D職員 | ありがたいことですね、連載が始まったのは春。今は夏の終わり。何とかここまで続けてこられました。 |
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| C主任 | お客さまや業界の方とお会いしたときや、ブログなどでも話題にしていただけてるから嬉しいね。でも、随分と積み残してる事項もあるよな。 |
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| B主任 | ちょっと整理しながら、後半戦のことを考えてみよか? |
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| D職員 | そうですね、まずはジャブローの成り立ちから。 |
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果たしてジャブローは最初から軍事基地だったのだろうか? 現実のわれわれが地球の持続的環境に対しアクションを起こしている未来にガンダムの世界があるのだから、「地球の肺」と形容されるアマゾンになぜあれだけの軍事基地が成立したのかを、建設会社としては時系列で考えてみるべきだ。
というのが今回のスタートであった。結果、ファンタジー営業部員が仮説として構築した物語はこうだ。
アマゾンの地下深くに大空洞が発見され、それを利用し建設された「不法伐採Gメン」の事務所、「緑を守る基地」がジャブローの原点である。飛行機以外でも、広いアマゾンをカバーする不法伐採取締を実現するため、高速道路も大空洞内に建設された。
そこに暮らし、働くGメン、研究者、技術者は環境意識の高い人々である(あるいは「になる」)ことが予想されるから、自然発生的に、また社会的要請もあって、事務所・研究所の規模が拡大し、そこがやがて「循環型実験都市」となる。
最終的にはそこで開発・蓄積された技術、経済システム、法制度、そして何より人材が礎となり、「スペース・コロニー建設」への研究拠点・建設基地として発展していく。
その後、打ち上げ施設や宇宙船ドックが装備されるとした。
| D職員 | ・・・そしてスペース・コロニーが実現されてから、地球連邦軍の基地として整備されるまでには、その場所が忘れられるぐらいのタイムラグがあるのだろうね、というところまでですね。 |
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| B主任 | そやな。核兵器やコロニー落としが現実の危機として認識されてから、軍事基地への改修がはじまったんやろうというこっちゃな。 |
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| C主任 | あとはまだジャブローの岩質。細部までは決まってなかったよね。 |
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| B主任 | そや。資料を読む限り、深成岩の一種である花崗岩が多いというものと、砂岩およびシルトストーン(粒の大きさが砂と粘土の中間であるシルトが固結したもの)の互層というもの、この2つがある。今のところ、ジャブローは核の直撃にも耐えるという設定から、花崗岩主体として話が進んでいて、大空洞の深度の話にはまだ触れてない。あとは作品の中から読み取ろうとしたんや。 |
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| D職員 | 当社トンネルグループの技術者とジャブロー攻防戦の部分を見ながら考えた結果、地山等級を、道路トンネルの場合の土木学会「標準示方書 山岳工法・同解説」による岩質、固い順にB、CI、CII、DI、DIIの5つのうち、地山が良く新鮮な部分はB級の花崗岩類、シャアさんがズゴックで逃げる際、崩落させた部分は、岩盤内部まである程度浸食が進んで脆くなっているとしてC級としましたね。 |
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| B主任 | 今後のヒアリングや研究で覆される事実がない限りは、これで設計開始やな。 |
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| D職員 | でも最大の課題は・・・つまるところ、どこが天然の大空洞で、どこが施工部分なのか、誰も決められないことですよね・・・。 |
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| B主任 | そうなんよね・・・。 |
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| C主任 | 逆に現状の技術で「どのような工事にまで対応できるのか」を皆さんに提案するしかないだろうな。トンネルだって、実現可能な断面って限界もあるんだろう? |
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| B主任 | そうか。ある場面を抜き出して、ここですと、ここと、ここと、ここまでしかトンネル工事や拡幅工事は対応できませんよ、なんちゅうことを整理すれば、どこまでが大空洞かを推測することは、ある程度可能やな。 |
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| D職員 | それはある意味正しいですね。でも、それってやっぱり全体像の確定には繋がらないですよね。 |
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| B主任 | なんかええ案、ないか? |
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| D職員 | あるにはあります。各種ガンダムゲームにおける「舞台」としてのジャブローを参考にすることです。 |
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| A部長 | ほう。そういうのがあるのかね。 |
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| D職員 | 個人的に選べと言われたら「機動戦士ガンダム 戦場の絆ポータブル」における「ジャブロー地下」および「ジャブロー地上」です。あれは僕もはまっているゲームですが、長時間あの世界で戦闘していると、もはや実際の作品以上にジャブローとはこれ、と認識しているファンの方は多いように思います。 |
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| C主任 | 実際の作品との整合というか、再現性はどうなの? |
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| D職員 | ゲームとしての楽しさを優先させているのでしょうか、高くないと感じてます。全くひどいということもありませんが。 |
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| B主任 | でもやで、多くの名シーンがあるやんか。あれらの再現はせんとな。 |
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| A部長 | うむ。しかし現実問題としてジャブローが描写されている全カットを整合させメニュー化することはまず困難だろう。私の意見はその「戦場の絆」を基本とし、そこに名シーンを合致させて基本ユニットを考えてみることだ。それでも結構な大きさになってしまうだろうが・・・。 |
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| D職員 | 言っておいてなんですが「戦場の絆」はあくまでベースでしょうね。違うといえば違うので・・・ファンの方々の考える「真のジャブロー」を組み上げていただける仕組みができればいいんですけどね。 |
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| B主任 | ・・・宇宙世紀のトンネル技術は、どこまで大断面のトンネル掘削を実現しとるやろなぁ。月の土質柱状図も整備されとるんかなぁ・・・おもろいなぁ。 |
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| A部長 | じゃ、ジャブロー本体、大空洞と岩質はそんな方針で一度やってみよう。 |
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| B主任 | ということはジャブローの全幅280kmやと思う方は、それらパーツを組み上げて推測していただくというこっちゃな。 |
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| A部長 | それでは、われわれもトライしてみるか? |
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| D職員 | じゃ、戦場の絆ポータブル、早速、皆さんの分を買ってきます。 |
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| C主任 | 建築は、先行してアッガイドームが進んでるけど・・・。 |
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| B主任 | いつの間にか名称がアッガイドームになっとるな(笑) |
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| D職員 | 設定資料などでは監視用トーチカと呼ばれてるようです。 |
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| B主任 | ・・・あとは、皆さんから投票していただいた、ジム工場や! |
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| | 全員: (無言で複雑な表情) |
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| B主任 | (小声で)すみませーん。誰かジムの作り方、教えてもらえまへんか(苦笑)。 |
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| A部長 | これも、なるべく大きなものを製造している会社さんを参考にさせていただき、工場の大きさ、動線、設備などを推測してみよう。 |
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| D職員 | 一方で、工場の外観も設定資料にあったりするので、それとも極力、合致させたいですね。 |
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| C主任 | なるべくなら働く人にとっても、地球にとっても、グッドな工場としてね。 |
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| A部長 | われわれが検討するのはジムでなくジム工場だ。さらに幸いなことには歩けないとはいえ、お台場、そして今は東静岡にある1/1ガンダムという貴重なサンプルも存在する。フレームがあり、動力源があり、フレームを動かす何かがあり、外装があるとして、まずはシンプルに、それらのアッセンブルから製造ラインを考えてみよう。 |
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| C主任 | 一番重い部品の想定もしておかなければいけないですね。 |
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| B主任 | そう考えると、楽しみにも思えてきたな。 |
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| D職員 | アッガイドームとジム工場以外の建築はどうするんですか? |
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| C主任 | 正直、それ以外の建築は、表面的な検討に終わっちゃうと思うんだよね。資料が少ないし、想定も普通のビル程度にしかできないから。 |
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| B主任 | お読みいただく皆さんがあきん程度に入れていったらどや? |
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| D職員 | 検討の深さをかえるとかして、冗長にならないよう、バランスとって行きましょう。 |
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| C主任 | 個人的には参謀本部の形が大胆なのでやってはみたいけどね。 |
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| D職員 | 宇宙船ドック出入口も人気ありましたよ。 |
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| B主任 | これ・・・ジム工場以上に想定の多い物件になるで。ホワイトベースもわからん部分、多いしな。 |
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| C主任 | ただでさえスパンが飛んでて厳しい条件なのに、条件設定によっては地上からの施工不可能というから、なんともいえない工事だな。 |
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| B主任 | するとこれも、現状技術から「どのような工事にまで対応できるのか」で整理するレベルになるかもしらんね。ま、がんばってみよか。 |
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| A部長 | そして最大の課題は作品中のどの建築が、その昔の「閉鎖空間における持続的環境の実験施設」だったのかという課題だ。ガンダムの時代には取り壊されてしまっているのか、それともコンバージョンされていずれかの建築に姿を変えているのか。その辺の検証も大事だね。 |
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| D職員 | ・・・いよいよ、閉鎖空間における持続的環境の実験について、教えていただく時期がきたようですね。 |
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| A部長 | また、来週からがんばっていこう。 |
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条件を整理し、あらためてその困難さに驚く一方、気合を入れなおしたファンタジー営業部員たち。
さて、来週はいよいよ、閉鎖空間における居住実験を実際に体験した先生のお話をお伺し、ジャブローが実験施設であった時代の「空白」を埋める作業を行っていく。
次回「微生物の驚異」 君はどのくらい小さな閉鎖空間まで、生活することができるか?
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