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2007年12月18日(火)

「機動戦士ガンダム劇場版メモリアルボックス DVD発売記念プレミアム上映会」レポート



12月15日(土)新宿の紀伊國屋サザンシアターにて「機動戦士ガンダム劇場版メモリアルボックス DVD発売記念プレミアム上映会」が行われた。このイベントはガンダムインフォにて募集を行い、333名を無料招待した。応募要項で人気のあった劇場3部作のうちの1本を上映。結果「めぐりあい宇宙編」を上映した。上映前にトークショーと、富野由悠季監督をはじめ豪華ゲストが舞台挨拶を行い、会場は大いに盛り上がった!

■スペシャルトークセッション 
 あえて言おう!ファーストは原点にして革新であると!
井上伸一郎氏(角川書店代表取締役社長)が司会を担当。アニメ評論家としておなじみの氷川竜介さん、漫画家の新條まゆさん、お笑いコンビのアメリカザリガニ、の5名が各々の「機動戦士ガンダム」に対する熱い想いを語ってくれた。


▲井上伸一郎氏は公開当時前を振り返り、「劇場版公開当時は、まだ劇場版アニメを若者が見るという文化はなかった。」と、機動戦士ガンダム劇場版の意義を熱く語った。
(※1981年当時、劇場版アニメは「東映まんが祭り」に代表されるような子供向けアニメが一般的に多く、大人が見に行く劇場版アニメとしては「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」などの松本零士作品が中心であった。)
また、井上氏は1981年2月22日、劇場版公開時に新宿で行われた映画キャンペーンの「アニメ新世紀宣言」を高く評価をした。「機動戦士ガンダム」劇場版3部作は「アニメは子供だけのものではない」と、アニメに対する見方を変えていくきっかけとなったのだ。


▲NHKの『BSアニメ夜話』などでアニメ解説をしている氷川竜介さん。「ガンダムは基本は時代劇の剣豪もの」と熱く語る。ガンダム対グフの戦いなどで剣戟(けんげき)が行われたように、ガンダムの背中のビームサーベル2本刺しは宮本武蔵をモデルに、剣術は「つばめ返し」などがモチーフになっているという。
氷川さんのように、多くの人の分析と解釈から、ガンダムは専門書が次々と作られていき、機動戦士ガンダムは「アニメ専門書」という分野を大きく開拓することになった。


▲漫画家の新條まゆさんは「Zガンダム」が初めて見たガンダムだったが、それからファーストガンダムを追っていったそうだ。シャアに対してはかなり熱を上げているようで、暴露トークで会場を和ませてくれた。
当時、機動戦士ガンダムを「見る側」にいた人たちが、今現在の漫画、アニメ、ゲームなどのメディアを「創る側」になってきている。そして現在も「機動戦士ガンダム」は多くのクリエーターたちを触発し続けているのだ。


▲お笑いコンビのアメリカザリガニ。【柳原哲也さん(左)、平井善之さん(右)】
柳原さんは、学校の合唱コンクールで「哀・戦士」を歌った思い出を語り、会場を笑わせていた。男子は大盛り上がりだったが、女子はポカーンとしていたという。平井さんはガンプラ好きで、ガンプラの思い出を熱く語ってくれた。ラジオ番組などでついついガンダムの名セリフを使ってしまうという。
今でこそアニメやゲームをネタにした「ガンダム芸人」や「オタク芸人」は市民権を得ているが、30年前にはとても考えられないことだった。「機動戦士ガンダム」という作品が多くの人に愛され、こうして色んなメディアや電波で伝えてくれるという事は、とても幸福なことである。



■「機動戦士ガンダム」舞台挨拶
上映会の前に豪華ゲストによる舞台挨拶が行われた。富野由悠季監督(「機動戦士ガンダム」総監督)、池田秀一さん(シャア・アズナブル役)、藩恵子さん(ララァ・スン役)、永井一郎さん(ナレーター役)が最初にステージに登場し、一人ずつ挨拶を行った。それから古谷徹さん(アムロ・レイ役)のビデオレターを上映。そしてGacktさんによる花束贈呈が行われた。


満場の拍手の中、舞台に登場した豪華ゲスト。左より永井一郎さん(ナレーター役)、藩恵子さん(ララァ・スン役)、富野由悠季監督、池田秀一さん(シャア・アズナブル役)。鳴り止まぬ盛大な拍手に少々照れ気味の一同。


▲池田秀一さん(シャア・アズナブル役)
「見せてもらおうか、劇場版DVD-BOXとやらの性能を。」とシャアの名セリフでご挨拶された池田秀一さん。「本当に懐かしいです。現実では、26年の間にセイラ(故・井上遥さん)やブライト(故・鈴置洋孝さん)など、僕の声優仲間が亡くなりました。本当に(このDVD-BOXは)メモリアルな感じがします」「26年前に劇場に並んで観た方たちには、刻(とき)の流れをまた今日感じていただければ幸せかと思います」
言葉は少なめだったが、これだけで会場のファンには池田さんの想いが伝わったのか、一斉に会場が盛大な拍手で包み込まれた。


▲藩恵子さん(ララァ・スン役)
「美しいオリジナル音声が嫌いな人がいて? ね、大佐」「ララァはかしこいな」と藩恵子さんと池田さんのお二人でお茶目な挨拶をしてくれた。その美声は当時のララァ・スンと全く変わっていない。「26年前に観た人も、まだ生まれていなかった人も、今日ここにめぐりあえて嬉しく思います」藩さんらしい、優しい言葉にファンも感激し、暖かいな拍手が送られていた。


▲永井一郎さん(ナレーター役)
永井さんはガンダムのナレーションをパロった名セリフを披露。「ガンダムが劇場公開されて四半世紀、西暦2007(ツー・ダブルオー・セブン)サンライズとバンダイビジュアルは、劇場版機動戦士ガンダムをメモリアルボックスとして発売することを決定し、人々はその行為に……歓喜した」会場からは拍手喝采!


▲永井さんの名調子に、富野監督も池田さんも藩さんも笑みをこぼされていた。


▲古谷徹さん(アムロ・レイ役)
古谷さんは仕事のために、ビデオレターでメッセージを届けた。「ぶったね、二度もぶったね。親父にもぶたれたことないのに!古谷徹です。本物です。若井おさむじゃありません」という古谷さんのコメントに、会場はドッと沸いた。
古谷さんは中国の『ジャパン・ウィーク』という日中交流イベントに行っており、残念ながらこの日は参加できなかった。今や中国でも日本のアニメは大人気で、ガンダムのアピールのために訪中していたのだ。
「これからもガンダム、アムロを愛してください!よろしくお願いします!」と古谷さんからは相変わらずガンダムに掛けるものすごい覇気が伝わり、会場も盛大な拍手が送られていた。


▲富野由悠季監督(「機動戦士ガンダム」総監督)
いよいよ富野監督からの挨拶。富野監督は当時のスタッフや声優陣を「戦友」に例えた。「本当に26年というのはなまじの時間ではない。先ほど池田くんが言ったように、本当に戦死していった人たちが物理的にいる中で、比較的生き延びているのは、本当に皆さんがいてくれてたおかげですし、つくづく有難く思います」とファンに向けて、脱帽し、お辞儀とともにファンに感謝の意を表した。


▲「本当にここで御礼申し上げます。今までやってこれたのは皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」と、お辞儀と共にファンに感謝をする富野監督。おそらく会場のファンだけではなく、すべてのガンダムファンに対しての感謝であったのだろう。
会場では、この日一番の盛大な拍手が起き、しばらく拍手が鳴り止まなかった。報道陣も取材の手を止め、富野監督に拍手を送っていた。会場では思わず涙ぐむファンの姿も見受けられた。


■花束贈呈

▲Gacktさんによる花束贈呈
花束贈呈はなんとGacktさんというサプライズ。告知されていなかったゲストだっただけに会場から大きな拍手が送られていた。
「この日本の財産がまた何十年も大切に守られていけばいいと思います」というメッセージを富野監督に送った。


▲Gacktさんのニューアルバム『0079-0088(ダブルオーセブンティーナイン・ダブルオーエイティーエイト)』は、あの名曲『哀・戦士』や『めぐりあい』をカバーした内容で、このアルバムはGacktさんから富野監督へのプレゼントとしての意味をこめて製作されたという。
そのことに対して富野監督も「26年前の曲がこういう形で蘇ったことに感動しています。何より、井上大輔(※)が喜んでると思います。」と話すと、思わず感極まって、富野監督は声を詰まらせていた。

(※)故・井上大輔氏は機動戦士ガンダム 劇場版II 主題歌『哀戦士』『風にひとりで』、劇場版III 主題歌『めぐりあい』『ビギニング』作曲し、歌を担当したミュージシャン。富野監督とは交友が深く、二人とも1941年生まれで、劇場版公開時の1981年にはお互いに40歳であった。実はこの4曲の作詞を担当した「井荻燐」は、富野監督ご自身のペンネーム。富野監督の依頼により、井上大輔氏が曲をつけ、この名曲が生まれたのだ。2000年5月、井上大輔氏はこの世を去った。
だが、今もこの名曲の輝きが失われることはない。



▲26年という時を超え、受け継がれてきた「機動戦士ガンダム 劇場版3部作」がついにHDリマスター、オリジナル音声版でよみがえる。過去に観た人も、初めて観る人も、この作品の持つ強烈なエネルギーを感じてほしい。


■共同記者会見

▲舞台挨拶後、報道陣向けに富野監督とGacktさんの共同記者会見が行われた。
富野監督もGacktさんも舞台上の緊張が解けたのか、リラックスして会見に応対していた。「僕は取材より、中に入って(劇場版を)観たいんだけどね~」と、富野監督お得意のシャレっ気で報道陣を和ませてくれた。
そんな中、Gacktさんはニューアルバムの苦労を語る。「ガンダムファンである自分が作るものだけに、プレッシャーはものすごいものがあった。中には仕上げるのに4ヶ月も掛かった曲もある」と、その想いの強さゆえの苦労があったようだ。
富野監督は劇場版のDVD化について「いい時期にお話をいただきました。データとして残せる限界はあと2、3年の間だと思っていたので、大変感謝しています」とコメントした。

今回のイベントで改めてガンダムのファン、関係者から強い「愛」を感じた。作品を送り出す製作側、受け取るファン側、両方の強い情熱がある限り、「機動戦士ガンダム」は刻を超え続けてゆくのだろう。

ガンダムインフォ編集部

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