自由を得るために戦った
スーパーコーディネイター
“スーパーコーディネイター”として、2度の大戦を終結に導いた存在として知られるキラ・ヤマト。パイロットとして当初から類まれな能力を発揮したが、それまで普通の民間人であった彼にとって戦場は過酷であり、精神的な消耗は隠せなかった。それでも、幼馴染アスランとの対峙、プラントの歌姫ラクスとの出会い、そして双子であるカガリの存在――組織を超えてそれぞれの正義と向き合ったキラは、最終的に地球連合軍から離れ、第三勢力として戦闘に介入することを選ぶ。それは、ナチュラルとコーディネイター、どちらかを殲滅するまで続けられようとしている戦争に対して、明確にNOを示したのである。
C.E.73~74に勃発した戦乱でも、彼はラクスやアークエンジェルの仲間たちと共に、ザフト、地球連合軍双方の戦闘行為に介入していった。デュランダルが提唱した「デスティニープラン」にも反対し、コーディネイター、ナチュラルが“自由”に暮らす世界のため、その力を行使し続けたのである。
一時は隠遁生活を送っていたが、オーブからカガリを救うためにフリーダムで出撃。その後は、コックピットを狙わないなど人命を重視した戦い方でザフトと地球連合軍の戦闘に度々介入し、戦闘の停止を訴えた。だが、フリーダムは「エンジェルダウン作戦」でシンの乗るデスティニーに撃破される。その後、クライン派の旗艦エターナルからストライクフリーダムを受け取ると、ザフト、地球連合軍の大規模な戦闘に介入。デスティニーやレジェンドを戦闘不能に追い込んでいる。
前大戦から引き続きフリーダムに搭乗し、ザフトや地球連合軍のMS部隊を圧倒。その操縦能力は錆びついていないところを見せつけた。ストライクフリーダムに乗り換えてからも、キラは高い空間認識能力を活かしてその性能を発揮している。
レイ・ザ・バレルが乗るレジェンドとの決戦では、前大戦時、ラウ・ル・クルーゼ運用の対プロヴィデンス戦を彷彿させる高度な射撃戦を展開する。だが、地力に勝るキラは、SEEDを発現した状態で戦闘を繰り広げ、最後にはフルバーストモードでの一斉射によってレジェンドを大破させた。これが戦乱終結の大きな一歩となった。
それぞれの正義に
苦悩しながらも戦い、
もがき続けたキラの幼馴染
それぞれの正義に
苦悩しながらも戦い、
もがき続けた
キラの幼馴染
ザフトのエースパイロットとしてC.E.71の戦場に立ったアスラン・ザラ。彼にとって予想外だったのは、幼馴染のキラ・ヤマトと戦場で対峙したことである。キラはそのままストライクのパイロットとして敵対することになり、一時は互いを殺める寸前にまで関係が悪化していく。だが、同じく戦場で出会ったカガリや、婚約者(のちに破棄)だったラクスとの交流によってザフトを離脱する決断をすると、第三勢力のメンバーとしてキラと共闘した。
C.E.73に勃発した戦乱では、キラたちとの関係にすれ違いが生じ、一時はザフトに復帰する。それはプラント最高評議会議長デュランダルに賛同する面もあったからだが、やがて彼の考えにも疑問を持つようになり、ザフトから再離脱する。その後、キラ、ラクスたちと和解し、共闘の道を選んだアスラン。真面目で実直な彼は、平和を求める中で苦悩し続けた。だが、彼のそうした苦悩こそ、ナチュラル、コーディネイターの融和がそれほどまでに難しいことの証明でもある。
ザフトに復帰したアスランは、新型機である可変MSセイバーを受領し、ミネルバの戦力として活躍する。だが、第三勢力として介入するキラたちとの戦いには迷いがあり、フリーダムにセイバーを行動不能とされてしまった。その後、ザフトから離脱し、クライン派からインフィニットジャスティスを受領。エターナルの主戦力として戦い抜いた。その中で、支援メカ「ファトゥム‐01」を大量破壊兵器「レクイエム」に突撃させ、使用停止に追い込む戦果を挙げた。
セイバー搭乗時は、その可変機構を生かした一撃離脱戦法で敵部隊を翻弄させた。インフィニットジャスティス搭乗時には、ミーティアを使用したほか、ストライクフリーダムと同じく搭載火力の一斉射で敵部隊を制圧した。
メサイア周辺で行われた、シンの乗るデスティニーとの一騎打ち。ルナマリア・ホークが乗るインパルスの介入もあり、一時は数的不利にもなったが、デスティニーとの戦いは格闘戦に持ち込まれる。ここで強さを発揮したアスランは、インフィニットジャスティスが装備する格闘兵器でデスティニーの腕部や脚部を破壊し、行動不能に追い込んだ。
平和と自由を願い歌った
プラントの歌姫、その戦い
平和と自由を願い歌った
プラントの歌姫、
その戦い
プラントの歌姫として知られたラクス・クラインは、2度の大戦を経て、誰よりも平和を謳う姫となった。プラント最高評議会でも穏健派として知られた父シーゲルの娘ということもあり、以前から戦争抑止の想いは強かったラクス。だが、歌姫という立場からできることは少なく、敵対する組織であったキラを救護し、彼にザフトの最新鋭機フリーダムを託すという選択をする。その後、彼女もエターナルの艦長として戦場に立ち、ザフト、地球連合軍の戦闘を止めようとしたのである。
その想いは、オーブで隠遁生活を送っていたC.E.73になってからも変わらなかった。再びザフトと地球連合軍の戦闘が過激化するとプラントに戻り、クライン派と呼ばれる仲間たちと共に、デュランダルが導入を目指していた「デスティニープラン」の概要をキャッチ。いち早くプランへの反対を表明すると、エターナル艦長として戦闘にも介入した。歌だけでなく、その行動で平和を体現した女性、それがラクスなのである。
前大戦後はオーブで隠遁生活を送っていたが、ラクスの替え玉ミーア・キャンベルの活躍、そしてザフトから派遣された暗殺部隊の存在を知ると、再び表舞台に立つことを決意。アークエンジェルでオーブを離脱し、第三勢力としての活動を再開する。その後、デュランダルの真意を知るべく宇宙へ上がると、クライン派が確保していたエターナルに合流。オーブへの支援などを通して地球、プラントどちらにも与しない立ち位置を明確にし、メサイア攻防戦まで戦い抜いた。
クライン派が所有していたエターナルの指導者として、宇宙(メサイア宙域)で行われた最終決戦に参加した。また、エターナルの火力として使われているミーティアは艦から分離させることができ、インフィニットジャスティス、ストライクフリーダム用の大型アームド・モジュールとも運用できた。
ラクスの替え玉であったミーアがデュランダルと共に演説している最中、オーブのカガリ、そして本物のラクスが演説を開始。ロゴス壊滅を狙うデュランダルの方針に反対を示したほか、ロード・ジブリール率いるロゴス側に対しても糾弾を行った。これによりラクスは、第三勢力としての立場を強固にしたのである。
中立の理念を貫き通した
アスハ家の女性指導者
オーブ連合首長国の代表ウズミ・ナラ・アスハの娘として育てられていたカガリ・ユラ・アスハは、オーブが掲げる中立の理念に誰よりも誇りを持っていた。だが、その理念へのこだわりが強すぎ、密かに地球連合側とMSの共同開発を進めていたことに怒り、一時は国から出奔するほどであった。その後、オーブ解放作戦で自決したウズミの矜持や、のちに双子であることが判明するキラとの邂逅、さらにアスランとの交流によって現実的な視点を養いつつ、さらに中立の理念を確固たるものにしていく。
C.E.73には代表首長となっていたものの、ここでも指導者としての脇の甘さから、セイラン家の増長を許す。だが、キラによってアークエンジェルに保護されると、雌伏のときを経てオーブに帰還し、その立て直しに奔走。ザフト、地球連合軍とは異なる中立の第三勢力として世界の安定に尽力した。政治力はまだ発展途上であるが、中立を貫く信念は本物で、その存在感は高まっている。
カガリはオーブ連合首長国の代表首長となり、世界の安定のために動いていた。地球連合に近いセイラン家の策略によって転落の危機を迎えているところをキラに助けられ、その後はストライクルージュでザフト、地球連合軍の戦闘に介入した。再びオーブに戻ると、ウズミが遺したアカツキを起動させ、初代パイロットとなる。戦場が宇宙に移ると自身はオーブ本国に残り、アカツキをムウ・ラ・フラガ(ネオ・ロアノーク)に譲っている。
ストライクルージュに新型ストライカーである「オオトリ」を装備して出撃。ダーダネルス海峡やクレタ沖での戦いに介入している。アカツキには、オーブ解放作戦から本国を守るために搭乗したが、デスティニーに敗れた。
ロード・ジブリール確保を名目にオーブへと侵攻を仕掛けたザフトに対し、カガリはアカツキで出撃。ビームを反射できる特殊装甲「ヤタノカガミ」を駆使しながら戦闘を行い、グフイグナイテッドやバビといったザフト機を次々と撃破していった。シンが乗るデスティニーには敵わなかったものの、オーブ軍の立て直しには十分に貢献している。
怒りを原動力に戦った
ザフトのエースパイロット
中立国オーブで暮らしていたシン・アスカは、C.E.71に行われたオーブ解放作戦の折、地球連合軍の侵攻によって最愛の妹を失った。その喪失感を埋めるべく、力を求めた彼はザフトへと入隊。士官学校を優秀な成績で卒業し、赤服となってC.E.73~74の戦乱に参加する。早くからパイロットとしての腕を評価されていたが、デュランダル議長にも重用され、FAITHと呼ばれる特権も手に入れる。そうした扱いによって自信を深めていったシンであったが、それはデュランダルの目論見通りであることを意味していた。
やがてシンは、「デスティニープラン」導入を目論む彼の駒として扱われるようになる。
ザフトのやり方に疑問を感じつつも、地球連合軍やそれを操るブルーコスモスへの怒り、さらにオーブに対する不信感も最後まで拭えず、ザフトの尖兵として戦い続けたシン。だが、メサイア攻防戦から生還したシンは、アスランと再会。キラたちの考えも理解し、和解したのである。
インパルスのパイロットとして、アーモリーワンに襲撃を仕掛けてきたファントムペインの追跡を行ったシン。ブレイク・ザ・ワールド事件では、地球に落下するユニウスセブンの破片をギリギリまで破砕する役割を担う。地球に降下後、オーブを離脱する際に行われた地球連合軍との戦闘で、SEEDを発現。さらにインド洋やダーダネルス、クレタ沖の戦闘でも大きな活躍を見せる。特にクレタ沖の戦いでは、オーブ軍のタケミカズチを撃沈することに成功した。
地球連合軍のエクステンデッド、ステラ・ルーシェとの交流と別れはあったものの、兵士としては快進撃を続けたシン。ベルリンではデストロイを撃退し、エンジェルダウン作戦ではフリーダムを撃墜する。デュランダルから直々にデスティニーを受領したシンは、オペレーション・フューリーでも八面六臂の活躍を見せ、ついにはFAITHに就任した。宇宙でもレクイエム発射を止めてプラントを死守したが、月面上での決戦でアスランのインフィニットジャスティスに敗れてしまった。
インパルスはシルエットシステムによる多彩な武装パックの換装を特徴としていた一方で、デスティニーは単機で全領域に対応するタイプとして開発された。そのどちらも操るだけの操縦センスをシンは有していた。
ルナマリア・ホーク、レイ・ザ・バレルは、士官学校の同窓であり、ミネルバに所属された盟友。デュランダルを絶対的な正義とするレイに対しては全幅の信頼を置いていたほか、ルナマリアとはのちに恋仲となっている。
休暇中に偶然出会った少女ステラ・ルーシェは、ファントムペインのエクステンデッドであった。ステラを戦場から引き離したいシンだが、デストロイのパイロットとして戦場に再投入されてしまう。戦いながら説得を続けたシンだが、ステラはキラの介入が影響して命を落とす。この出来事を機にシンは打倒キラに燃え、執拗にフリーダムの撃破を狙うのだった。
アークエンジェルの撃破を狙ったエンジェルダウン作戦では、インパルスの合体・分離機構を活かした戦いでフリーダムと互角に渡り合い、さらに複数のシルエットを換装しながら攻撃を仕掛けた。最後にはソードシルエットの装備であるエクスカリバーレーザー対艦刀を用い、フリーダムを撃破する大きな成果を挙げた。