第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終結後も、ナチュラルとコーディネイターの軋轢が解消されることはなかった。むしろ両者の溝は深まり、「アーモリーワン」でのMS強奪事件から、再び戦火は拡大していく。前大戦で妹を失くし、オーブからザフトへと入隊した少年シン・アスカは、オーブや地球連合軍への復讐心から戦場の最前線に立つ。
その中で、前大戦終結の立役者アスランやキラ、ラクスと出会うシン。彼が体験した新たな戦乱とは――。
前大戦の終結からおよそ2年後に勃発した大規模な戦争であり、「第2次連合・プラント大戦」と呼ばれる。ザフトの軍事工廠である「アーモリーワン」に地球連合軍のファントムペインが襲撃したことに端を発し、その後、ナチュラル廃絶を訴える勢力や、逆にコーディネイターの排斥を狙うブルーコスモス(やその資金を支える軍産複合体ロゴス)の関与もあり、前大戦と変わらぬ大規模な戦乱へと発展した。その中で、穏健派と見られていたプラント最高評議会議長ギルバート・デュランダルが台頭。彼は最終的に、遺伝子に応じて職種や生き方を規定する「デスティニープラン」を発表する。だが、自由を排除するこのプランに対し、第三勢力としてザフト、地球連合軍の戦乱に介入し、戦乱の拡大を阻止すべく動いていたオーブやアークエンジェル、ラクス率いるクライン派などは反対。それでもデュランダルは強硬にプランの導入を目指したが、メサイア攻防戦で第三勢力側が勝利し、戦争は終結した。
プラント側と軍縮条約を締結したものの、軍備の増強は続けていた。連合内では反プラントのブルーコスモスがさらに台頭し、テロに近い奇襲を行う独立機動群ファントムペインの創設や、パイロットとして人為的に強化された「エクステンデッド」の投入などにより、ザフトやオーブに対する軍事的圧力をさらに強めていた。
ユニウス条約締結後、最高評議会議長にギルバート・デュランダルが就任。彼はアスランのザフト復帰を後押ししたほか、姿をくらませていたラクスの替え玉であるミーア・キャンベルを登用し、国民の支持を広げていった。さらにブルーコスモスを背後で操るロゴスを糾弾するなど、地球側に対する強硬な姿勢を強めていく。
ユニウス条約締結後はカガリが代表首長に就任していたが、地球連合寄りの姿勢を見せるセイラン家と対立。カガリとセイラン家のユウナ・ロマ・セイランとの結婚する予定であったが、その当日にキラが連れ去り、結婚は破談に。その後、ユウナが代表首長に就くと、中立から地球側(大西洋連邦)側の姿勢を強めることになる。
前大戦時に地球連合軍を離脱しているアークエンジェル部隊は、オーブに避難。そこにはキラやラクス、艦長のマリュー・ラミアスなども暮らしていた。オーブを離脱すると、地球連合軍・ザフト両勢力の戦闘阻止に向けた介入行動を繰り広げた。また、ラクスを中心とするクライン派も、ファクトリーと呼ばれる施設で力を蓄えていた。
プラントの軍事工廠「アーモリーワン」に、地球連合軍の第81独立機動群ファントムペインのメンバーが潜入し、ザフトの新型MS3機を強奪した事件。当時、軍備を巡ってザフトのデュランダルとオーブのカガリが極秘訪問しており、戦闘に巻き込まれている。
「血のバレンタイン」で崩壊したユニウスセブンの破片が、地球圏に落下した事件。地球各地の都市に大打撃を与えた。ザフトの一部急進派が独断で行ったテロ行為であったが、地球側はその説明を受け入れず、核攻撃も交えた「フォックストロット・ノベンバー」を発動する。
ザフトを主体とする対ロゴス同盟軍が行った、ロゴス/ブルーコスモス殲滅作戦。地球連合軍の最高司令部ヘブンズベースに匿われたロゴスメンバーをミネルバなどザフトの部隊は追い詰め、ヘブンズベースは陥落。だが、ロゴス盟主のロード・ジブリールは取り逃がした。
ヘブンズベースからオーブ、さらに月面基地ダイダロスへと逃亡したジブリールとの決戦。ジブリールは大量破壊兵器「レクイエム」を使用し、プラントに大損害を与える。プラントへの次射を防ぐべく、ミネルバ部隊はレクイエムを制圧。さらにジブリールも殺害する。
デュランダルが拠点とした機動要塞「メサイア」での最終決戦。オーブ軍やクライン派、地球連合軍など、「デスティニープラン」導入に反対する勢力が集結し、メサイアとダイダロス基地を壊滅した。デュランダルの死後、ザフトが停戦を受託し、戦争は終結した。
ザフトの中でも優秀なパイロットや指揮官に与えられる称号で、専用の徽章が与えられた。通常の部隊指揮官よりも立場が上となっており、個人の権限で行動が可能。アスラン・ザラ、ハイネ・ヴェステンフルス、シン・アスカ、タリア・グラディスなどが任命された。
コーディネイター廃絶を訴える団体。スローガンは「青き清浄なる世界のために」。軍産複合体「ロゴス」の力を背景に、反コーディネイター思想をナチュラルに植え付けた。ムルタ・アズラエル、ロード・ジブリールなど、盟主たちが政治面・軍事面でも存在感を発揮した。
遺伝子解析によって先天的な能力を調査し、その人物の職業を決めてしまう社会システム構想。遺伝子による人生の最適化により、争いのない世界を目指したもの。だが、職業選択の自由や後天的な能力が考慮されておらず、またコーディネイターに優位であると批判された。