
安彦良和さんの大規模回顧展「描く人、安彦良和」が、北海道・釧路市立美術館にて好評開催中だ。会期は11月3日(月・祝)まで。
本展覧会は、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー、アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦さんの創作活動を展望する回顧展。
会場では、幼少期から現在に至るまでの創作活動を、大まかな時代とジャンルで分類した6つの章で構成。大学時代までに描かれた資料から、『無敵超人ザンボット3』や『機動戦士ガンダム』を経て『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に至るまで、1,000点を超える大ボリュームの資料が展示されている。
9月13日(土)には『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第1話「青い瞳のキャスバル」の特別上映会と安彦さんが登壇する舞台挨拶が実施され、制作当時の思い出やコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の制作秘話が語られた。
それでは、安彦さんの舞台挨拶の模様と展覧会の様子をレポートしていこう。
本展覧会は、『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー、アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦さんの創作活動を展望する回顧展。
会場では、幼少期から現在に至るまでの創作活動を、大まかな時代とジャンルで分類した6つの章で構成。大学時代までに描かれた資料から、『無敵超人ザンボット3』や『機動戦士ガンダム』を経て『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』に至るまで、1,000点を超える大ボリュームの資料が展示されている。
9月13日(土)には『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第1話「青い瞳のキャスバル」の特別上映会と安彦さんが登壇する舞台挨拶が実施され、制作当時の思い出やコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の制作秘話が語られた。
それでは、安彦さんの舞台挨拶の模様と展覧会の様子をレポートしていこう。
『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第1話「青い瞳のキャスバル」特別上映会 舞台挨拶

『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』第1話「青い瞳のキャスバル」の上映後、大きな拍手に迎えられて安彦さんが登壇。まずは「昨日会場を訪れた時には、こんなにお客さんが来るのかしら?と心配もありました。沢山の方に来ていただいてありがとうございます」と駆けつけたファンに感謝を語った。
最初のテーマは1989年の『ヴイナス戦記』以来、久々にアニメの制作現場に復帰した当時の心境について。「『ヴイナス戦記』以来、25年ぶり、四半世紀ぶりにアニメを作るということで、浦島太郎のような気持ちでした。(自分がアニメ制作)離れていた間もアニメを作り続けていた人たちに混じって制作できるのだろうか?と不安もありましたが、スタッフの皆さんに助けていただいて、現役でやっていた頃よりも幸せな時間でした。当時はつらい思いでも多かったですから(笑)」と振り返った。
実際の制作にあたっては手書きからデジタルへ変化したことで可能になった表現に感動したとのこと。「『機動戦士ガンダム』の制作当時、ガンタンクのキャタピラを手書きで動かすことは無理でした。それがCGを使って動いたときは『わあ!キャタピラが動いてる!』と感動しました。ランバ・ラルの乗っていた車や葬列の馬車なんかもうまく走ってくれる訳です。『いい時代になったなぁ』と感動しました。手書きでキャタピラを回転させるには、すごく細かくコマを割らなければならないので、それは無理だったんです」と感慨深そうに語った。
『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』は安彦さんが著したコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の単行本第9巻から第14巻前後のエピソードが描かれている。同コミックについては、「シャアのような複雑なキャラクターは、過去を語らないとよくわからない。だから過去を単行本1巻分描かせてくれ、と(同作を連載していたガンダムエースの)編集部にお願いしてOKもらったのが始まりでした。そしたらどんどん深みにハマってしまい、結局6巻分使うことになってしまいました(笑)。でも描いている間は自分でも『あ、そういうことだったのね』と納得しながらの作業だったので非常に楽しかったです」と語る。
司会者より作品の“過去編”を描く難しさを問われると「意外とすんなり描くことができました。例えばランバ・ラルとクラウレ・ハモンの関係について考えてみると、『あ、ランバ・ラルはハモンの働いている店の常連だったんだな』というように、物語が出るべくして出てくるんです。サスロ・ザビなんかも、『機動戦士ガンダム』当時は裏設定として存在するだけのものだったのが、彼が爆殺されることで巻き込まれたドズルの顔が傷だらけになる。『あ、ドズルの顔の傷はここでついたのね』というような感じで描いていけました」と振り返った。
さらに同コミックについて「最近放送された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』という作品を観た若い人で、『元々のガンダムってどんな話なんだろう?』って興味を持ってくれた方はぜひコミック版の『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』を読んで下さい(笑)。きっと漫画が一番手軽に楽しめると思います(笑)」とアピールすると、会場からは笑いと拍手が巻き起こった。
最後に会場に駆けつけたファンに向けて「釧路は道東の田舎出身の僕には大都会で憧れの街です。ぜひ周りの人にも釧路、展覧会共々『良かったよ』とお誘いいただければ嬉しいです。本日はありがとうございました」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
最初のテーマは1989年の『ヴイナス戦記』以来、久々にアニメの制作現場に復帰した当時の心境について。「『ヴイナス戦記』以来、25年ぶり、四半世紀ぶりにアニメを作るということで、浦島太郎のような気持ちでした。(自分がアニメ制作)離れていた間もアニメを作り続けていた人たちに混じって制作できるのだろうか?と不安もありましたが、スタッフの皆さんに助けていただいて、現役でやっていた頃よりも幸せな時間でした。当時はつらい思いでも多かったですから(笑)」と振り返った。
実際の制作にあたっては手書きからデジタルへ変化したことで可能になった表現に感動したとのこと。「『機動戦士ガンダム』の制作当時、ガンタンクのキャタピラを手書きで動かすことは無理でした。それがCGを使って動いたときは『わあ!キャタピラが動いてる!』と感動しました。ランバ・ラルの乗っていた車や葬列の馬車なんかもうまく走ってくれる訳です。『いい時代になったなぁ』と感動しました。手書きでキャタピラを回転させるには、すごく細かくコマを割らなければならないので、それは無理だったんです」と感慨深そうに語った。
『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』は安彦さんが著したコミック「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」の単行本第9巻から第14巻前後のエピソードが描かれている。同コミックについては、「シャアのような複雑なキャラクターは、過去を語らないとよくわからない。だから過去を単行本1巻分描かせてくれ、と(同作を連載していたガンダムエースの)編集部にお願いしてOKもらったのが始まりでした。そしたらどんどん深みにハマってしまい、結局6巻分使うことになってしまいました(笑)。でも描いている間は自分でも『あ、そういうことだったのね』と納得しながらの作業だったので非常に楽しかったです」と語る。
司会者より作品の“過去編”を描く難しさを問われると「意外とすんなり描くことができました。例えばランバ・ラルとクラウレ・ハモンの関係について考えてみると、『あ、ランバ・ラルはハモンの働いている店の常連だったんだな』というように、物語が出るべくして出てくるんです。サスロ・ザビなんかも、『機動戦士ガンダム』当時は裏設定として存在するだけのものだったのが、彼が爆殺されることで巻き込まれたドズルの顔が傷だらけになる。『あ、ドズルの顔の傷はここでついたのね』というような感じで描いていけました」と振り返った。
さらに同コミックについて「最近放送された『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』という作品を観た若い人で、『元々のガンダムってどんな話なんだろう?』って興味を持ってくれた方はぜひコミック版の『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』を読んで下さい(笑)。きっと漫画が一番手軽に楽しめると思います(笑)」とアピールすると、会場からは笑いと拍手が巻き起こった。
最後に会場に駆けつけたファンに向けて「釧路は道東の田舎出身の僕には大都会で憧れの街です。ぜひ周りの人にも釧路、展覧会共々『良かったよ』とお誘いいただければ嬉しいです。本日はありがとうございました」とメッセージを送り、舞台挨拶を締めくくった。
展覧会会場の様子
「描く人、安彦良和」巡回展来場者10万人目のファンにサインを贈る場面も!
(ガンダムインフォ編集部)
なお、「描く人、安彦良和」展は、11月18日(火)から東京・渋谷区立松濤美術館、2026年3月7日(土)から新潟県立近代美術館への巡回が決定している。詳細は「描く人、安彦良和」公式サイトをご覧ください。
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