いよいよ桜が満開かと思えば、もう4月である。新元号も発表され、ちょっと緊張した雰囲気もあったが、4月といえば4月1日のエイプリルフールが気になる。どんなフェイクニュースが出るのか楽しみだ。ガンダムは人と人との争いを描いているので、嘘をつく人が多々登場してきた。ということで今回は、嘘が上手なキャラを調査してみた。

が6割近くの支持を集めた。さすがである。小さい頃のキャスバルくんはいい子で嘘などつきそうになかったが、父を殺され、母が幽閉されると自らの身を守るために嘘をつくようになる。嘘を正当化しないと生きていけない状況だった。ダイクンの子という尊厳を持ちながら、謀略を計るキシリアに正論で立ち向かうキャスバル。しかし、テキサスコロニーに逃げ、エドワウという偽名を使わざるを得なくなった。そして、彼の最大の嘘は「シャア」という名前を奪った時だと思う。

が1割強の支持を集めた。彼もまた、木星帰りという過酷な経験から、あらゆる嘘を正当化し手段として使っていった。ティターンズのジャミトフには血判状で恭順の意志を証明するが、混乱に乗じて暗殺する。それをハマーンの陰謀と公表しカミーユたちとの三つ巴の争いに持ち込んだ。主に政治的な嘘ではあるが、彼の最大の嘘は「戦後世界を支配するのは女だと思っている」と語ったことではないだろうか。この言葉にのせられて、サラやレコアがシロッコについていってしまった。もちろん、本心からそう思っていたのかもしれないが、状況的には都合の良い方便と考えた方がよいだろう。

「嘘つきは泥棒のはじまり」などと子どもには嘘を戒める言葉が教えられる。それは、大人の世界が信頼の社会で成り立っているからである。しかし、大人になると「嘘も方便」などという言葉を知る。相手を傷つけない為につく嘘は正当化されるという事を学ぶ。「いい嘘」と「悪い嘘」があることに気が付くのだ。ここで問題なのは自分にとって「いい嘘」が他人にとって「悪い嘘」になることが多いことだ。ガンダムは善悪二元論から脱して、それぞれの戦う理由を問う作品である。その根幹にどうも嘘があるようだ。シャアやシロッコが嘘をつかなければ、いくつかの争いはなかっただろう。しかし、彼らの寿命はもっと短かくなっただろう。嘘を学べば『ガンダム』の本質がわかるようになるのかもしれない。

（ガンダムインフォ編集部）