ガンダム×料理の知られざる舞台裏を語る！サンライズ小形Pが食べてみたい、ガンダムカフェ“究極の再現食”5選

ガンダム公式カフェ「ガンダムカフェ」と大阪の「ガンダムスクエア」では、「GUNDAM Café ありがとうproject」の1つ「めざせ全制覇！再現食祭」が好評開催中だ。

本イベントは、アニメ本編に登場した食事やMSの形状を再現したガンダムカフェ自慢の「再現食」の提供を中心に、さまざまなメニューが展開される企画。劇中の食事シーンから、「食材のサイズ感」「量」「盛り付けのレイアウト」「食器の質感」「時代背景」を汲み取りながら開発されているメニューの再現度は凄まじく、カフェが“究極の再現食”と自称するのも納得の出来栄えとなっている。そのクオリティは、メニューが公開された直後からSNS上でもにわかに話題となっており、「食べたことはないが見たことはある」という方も多いのではないだろうか。2022年1月5日（水）からは“第2弾”としてさらにメニューが追加され、45種にも及ぶ再現食がラインナップされる。

豊富過ぎるメニューに尻込みしてしまう人がいるかもしれない――。
さらに、残念ながらガンダムカフェは2022年1月30日（日）の営業を以て全店閉店してしまうことが決定（ガンダムスクエアは1月10日（月・祝）まで営業）し、この機会を逃すと二度とこのメニューは食べられないかもしれない――。

危機感を覚えたガンダムインフォ編集部は、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』をはじめガンダムシリーズのプロデューサーを務めるサンライズの小形尚弘プロデューサー（P）に「食べてみたい」と思うメニューを5つ選んでもらった。プロデューサーとして、一人のガンダムファンとして、小形Pが選ぶ5品とは？アニメ制作の舞台裏からガンダムカフェのメニューへのこだわりまで、知られざる裏話が多数飛び出したので、メニュー選びの参考にしてもらえると幸いだ。

それでは早速、取材の様子をお届けしていこう。

※フードメニューは、ガンダムカフェTOKYO（レストランエリアおよびZeon's Diner TOKYO）のみの提供となります。

今回は、サンライズの会議室で2022年1月5日（水）よりスタートする第2弾のメニューも含めた全45種から、食べてみたいものを5つ選んでもらった。

本来であれば本物の料理を試食しながら選んでもらう……という形にしたかったが、取材を行った時点では第2弾の料理が用意できなかったため、メニューを見ながら選ぶ方式に。そのことは事前に伝えていたはずなのだが、うっかりお腹を空かせてやってきた小形Pに「あれ、実際に食べられるんじゃなかったの？」と残念がられつつ、取材はスタートした。

会議室の広い机を埋め尽くすほどの大量のメニューを見た小形Pは圧倒された様子。プロデューサーならではの視点で、メニューを吟味しはじめた。

「食事シーンは映像を作る時にもこだわる、大変なシーンです。美味しそうに見えないと残念な気持ちになってしまうので、気をつけながら制作しています」と、アニメにおける料理描写の重要性を語る。続けて「ハサウェイは食事シーンが多かったですね。この『ダバオ空港・VIPルームにて～ハサウェイ～』（税込み770円）を見て思い出しましたが、このシーンの編集中に、飲み物の量が増えたり減ったりして、きちんとカットがつながっていないことが発覚しました。急遽修正に追われたのですが、非常に注目されたシーンになったので、直していなかったら大変なことになっていましたね」と、取材が始まって早々、スタッフの肝が冷える裏話が明かされた。

ちなみに今回取材に同席したガンダムカフェのスタッフによると、本商品は大人気。パインジンジャーの、南国らしいトロピカルな風味となっている。ガンダムカフェは『閃光のハサウェイ』上映前から再現食を企画しており、映像ではなくシナリオを読み解きながら各メニューを作っていったそうだ。

また、今回の再現食では、ジャブローコーヒーをアレンジしたプリンやティラミスがラインナップ。
小形Pは「僕、ジャブローコーヒーがすごく好きで、行くたびに必ず注文しているので、今回のアレンジはすごくいいですね」と太鼓判を押す。

「今回の再現食のメニューにお酒はありますか？ガンダムカフェでイベントをやると、飲みながらできるのですごく良くて（笑）」というお酒好きの小形Pに対して、カフェスタッフがおすすめしたのは「総帥の孤独」（税込み660円）。

「総帥の孤独」は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の再現食で、バーボンウィスキーと、おつまみのカシューナッツがセットで提供される。また、ウィスキーはノンアルコールのヘーゼルナッツティーに変更することもできるので、お酒が苦手でも『逆シャア』気分を味わえるメニューだ。ガンダムカフェのスタッフ曰く、お酒だけ飲みに来る人もいるらしく、シャア専用ザクパフェとハイボールという意外な組み合わせを注文する人もいるそうだ。

続いて手にとったのは『新機動戦記ガンダムW』より「キャスリンのボルシチ」（税込み1,320円）。「『ガンダムW』は『Endless Waltz』の最後の方に駆け出しの制作進行としてちょっと噛んだくらいで、ほとんど“いちファン”でしたね。これも1カットだけ（の登場）じゃないですか？」と、当時を振り返りながら懐かしそうに語った。

「『アムロ専用パイロットランチ』（税込み1,430円）なんかはすごく解像度を上げて美味しそうに作っていただいてありがたいです。劇場版であればしっかり料理も描けますが、TVシリーズではなかなかここまでディテールの多いものを描くことはできないので。『閃光のハサウェイ』は劇場作品なので食べ物にはこだわりましたが、TVシリーズでは鬼門です」と、アニメ制作の難しさを吐露。「ちなみに過去に『焼き立て!!ジャぱん』という作品も担当していたので、パンを美味しく描く大変さを思い出しますね。料理シーンの特殊効果を担当する人がいて、いかに料理を美味しく見せるか、という工夫をしていました」と、アニメーターたちの知られざるこだわりを語った。

一方、劇中の見た目をある意味最も忠実に再現しているのが「アムロのビタミン補給」と「俺のおごりだミルク」（いずれも税込み440円）。一見ただのオレンジジュースと牛乳に見えるが、「アムロのビタミン補給」はオレンジピーチレモネードに、「俺のおごりだミルク」はピーチミルクにアレンジされている。「そんなおしゃれなものだったんですね。さすがロックオンがおごっただけはあるなあ」と、小形Pも感心していた。

ここで、「今回一番こだわったものはありますか？」という小形Pからの逆質問に、カフェスタッフは「ブライトのハンバーガー」（税込み1,760円）を選ぶ。

劇中のブライトの身長から大きさを割り出して、ハンバーガーの大きさを再現しただけでなく、グルメバーガーのバンズを数多く手掛ける銘店「峰屋」にパンの製造を依頼したという。

また、誰もが目を疑うシンプル過ぎる再現食「あのパン～砂漠のレストラン」（税込み550円）では、『機動戦士ガンダム』にてアムロ・レイが砂漠の店で頼んだパンとうまい水を完全再現。こちらも特注の豆腐パンを採用しており、引きちぎろうとする時には思わずアムロと同じ表情になってしまう噛みごたえを実現している。食後の水がより美味しく感じる一品となっており、アムロの気持ちを追体験できる仕掛けとなっているそうだ。


こうして、その再現度に目を丸くしつつ、時折懐かしそうに思い出を語りながら、一通り再現食のチェックが終了。こだわりが目一杯に詰まった再現食を前に、プロデューサーとして、いちファンとしてさまざまな視点から吟味した小形Pは、果たしてどのメニューを「食べたい」と感じたのか？では、5選を見ていこう。

「この中でまず選ぶならこれですね」と、小形Pがまっさきに手を伸ばしたのはこちらのメニュー。

・スレッガーのハンバーガー（『機動戦士ガンダム』より）
価格：1,540円（税込）

小形P「『機動戦士ガンダム』に登場する料理の中で一番思い出深いのがこの「スレッガーのハンバーガー」です。今は少なくなりましたが、昔は深夜のドライブインやサービスエリアにハンバーガーの自販機ってありましたよね。僕はこのシーンに憧れていて、大学生で車の免許を取った時に、『スレッガーバーガーを食べに行こう！』と友達を誘って、わざわざ深夜のサービスエリアに行ったりしました。なので、『ガンダム』の食べ物というと、スレッガーの食べていたハンバーガーに思い入れがあります。ガンダムカフェのメニュー写真だとふっくらしていますが、食べるときには潰して食べたいです」と、こだわりの食べ方とともに、まだ一人のガンダムファンだった頃の思い出の一品をチョイスした。

2品目に選んだのはこちら。

・ダバオ空港・VIPルームにて～ハサウェイ～（『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』より）
価格：770円（税込）

小形P「苦労した思い出も含めてこれですね。ジンジャーエールも好きですし、制作中の思い出として、直してよかったなあという気持ちもあるので、スレッガーのハンバーガーと一緒に注文したいです」。

3品目に選んだのも、『閃光のハサウェイ』よりこちらのメニュー。

・ダバオ・ホテルルームサービス（『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』より）
価格：1,430円（税込）

小形P「このシーンの料理の作画、実は『閃光のハサウェイ』にメカニカルデザイン原案として参加した森木（靖泰）さんに担当していただきました。本作の制作時に会食した際、森木さんが近年“料理作監”として活躍されてらっしゃるとお聞きしたので、お願いしました」と、制作時のエピソードを披露。
「また、現地にロケハンした際は村瀬（修功）監督にはホテルのなるべく高層階に泊まってもらって、景色や風景の参考にしてもらいました。流石にハサウェイたちが泊まっている場所ほど高くはないですが、作品に反映されているようです。たぶんこんなルームサービスは頼んでいませんが（笑）。でも、ダバオはご飯がすごく美味しかったですね。治安も良くて気候も過ごしやすいので、コロナが収まったらまた行ってみたいです」と、村瀬監督とのロケハン時の裏話も飛び出した。

「あと2つかぁ。そうしたら、足りないのはデザート系ですかね」と、すこしだけ迷いながらも選んだ4品目はこちら。

・ホワイトドール・パフェ　（『∀ガンダム』より）
価格：660円（税込）

小形P「『∀ガンダム』も思い出深い作品なので、これですね。当時、僕は制作進行3年目でした。TVシリーズの『∀ガンダム』を作るのは制作進行としてとても大きな力になったので、やってよかったと思っています。制作スケジュールが短かったのでいろいろと大変なこともありましたが……。未だに∀のデザインがスタジオで公開されたときのざわめきを覚えています。『ひげがついてる！』みたいな。このパフェにはひげがしっかり再現されているので良いですね」と、思い出を語った。

「最後はやっぱりこれですね」と言って選んだ締めの1品はこちら。

・総帥の孤独（『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より）
価格：660円（税込）

小形P「僕は『逆シャア』がとても好きなのですが、その中でもナナイとシャアの関係は、大人になればなるほど『ナナイがいてくれたら……』と思うことも時々あるので、このシーンは印象に残っています」と、大人として、大きな組織の上に立つものとしての辛さとともに、アルコールをチョイス。

「この5つ、ものすごくいいバランスになったんじゃないですか？ちょっと量が多いですが（笑）」とはにかむ小形P。こうして、プロデューサーとしての経験と、ガンダムとともに歩んできた1人のファンとしての思い出が詰まった珠玉の5選が決定した。

■小形Pが選んだメニュー5選はこちら

最後に、ガンダムカフェに行ってみたいと思っている人へ。
小形P「これだけメニューがあって、閉店間近ということもあるので、行ったほうがいいですよ。予約しないと入れないくらい人気みたいなので、ぜひ行っていただいて、みなさんのガンダムの思い出に浸ってみてください」

ぜひともガンダムカフェに足を運んで再現食に舌鼓を打ちながら、作品と小形Pに思いを馳せ、思い思いの楽しみ方をしてみてほしい。

なお、ガンダムカフェ各店では、「GUNDAM Café ありがとうproject」として今日まで来場した全てのガンダムファンにお届けする、約12年分の「感謝」をテーマに展開するプロジェクト企画が実施中だ。
今回紹介した「めざせ全制覇！再現食祭」をはじめ、過去に提供された名物メニューが復活・復刻する「メモリアルメニュー」、24キャラクターの描き下ろしイラストをデザインした「来店記念メモリアルコースター」、記念商品「メモリアルグッズ」の発売など、多数の企画が展開中となっている。

時間帯によっては満席とのことなので、来店する際は事前予約をして、足を運んでみよう。

好評提供中の「めざせ全制覇！再現食祭」に“第2弾”として、2022年1月5日（水）より、新たな料理やドリンクが追加される。
追加メニューでは、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』、『機動戦士ガンダムΖΖ』、『機動戦士Vガンダム』、『機動新世紀ガンダムX』、『Gのレコンギスタ』といった幅広い8作品をピックアップ。
もちろん第1弾のメニューも引き続き提供されるので、この機会にぜひ足を運んでみよう。

＜「再現食祭 第2弾」追加メニュー＞
提供期間：2022年1月5日（水）～30日（日）
実施店舗：全店
※フードメニューは、ガンダムカフェTOKYO（レストランエリアおよびZeon's Diner TOKYO）のみの提供となります。

【開催期間】
2021年12月3日（金）～2022年1月30日（日）

【開催店舗】
・ガンダムカフェTOKYO
・お台場店
・ガンダムスクエア
・福岡店
※店舗によりご提供メニューが異なります。
※ガンダムスクエアは2022年1月10日（月・祝）までの営業となります。

⇒来店予約はこちら

GUNDAM Café TOKYO BRAND CORE
［所在地］東京都千代田区神田花岡町1-1
［営業時間］11:30～22:00
・レストランエリア…11:30～21:00
・グッズショップ、テイクアウトコーナー「fortuneLatte Cafe」…11:30～22:00
・Zeon’s Diner TOKYO…17:00～22:00
＜2022年1月7日（金）まで＞
※デイタイム営業…通常19:30まで
※ディナータイムはディナータイムプログラムを実施いたします。
※12月24日（金）、25日（土）のレストランエリアのデイタイム営業は16:30までとさせていただきます。
＜2022年1月8日（土）以降＞
※デイタイムの営業時間が変更となります。なお、ディナータイムプログラムの実施はございません。詳細は12月20日（月）以降にご案内予定です。
※2022年1月8日（土）～30日（日）のレストランエリアおよびZeon's Diner TOKYOの座席予約を12月20日（月）18:00より開始いたします。

GUNDAM Café ダイバーシティ東京 プラザ店（お台場店）
［所在地］東京都江東区青海1-1-10 ダイバーシティ東京 プラザ2F
［営業時間］10:00～20:00

GUNDAM SQUARE
［所在地］大阪府吹田市千里万博公園2-1 ららぽーとEXPOCITY内
［営業時間］11:00～21:00／休日11:00～22:00
※12月24日（金）・25日（土）の飲食スペースの通常営業は15:30までとさせていただきます。

GUNDAM Café 福岡店
［所在地］福岡県福岡市博多区住吉1丁目2 キャナルシティ博多サウスビル1F
［営業時間］10:00～21:00

※各施設の営業時間に準じます。
※最新の営業時間については、ガンダムカフェ公式サイトにてご確認ください。
⇒GUNDAM Café 各店の営業時間について

※GUNDAM Café 閉店についてはこちらの記事をご覧ください。