ガンダム00 Festival 2009-2010 “a trailer for the trailblazer”レポート

　2009年12月31日、大晦日。この日は、「ガンダム30周年」が幕を閉じ、そして「機動戦士ガンダム00」が劇場版へ向けて再び飛翔する刻となった。劇場版が待つ2010年、その到来を祝福するスペシャルイベント「ガンダム00 Festival 2009-2010 “a trailer for the trailblazer”」が東京国際フォーラムにて開催された。
　オープニングは、恒松あゆみさんがイブニングドレスで登場。クイーンの気品をまといつつ、マリナが刹那に宛てたメールを朗読。マリナと刹那、2人の進む道が交わらないことへの切なさが伝わってくる。続いて、ガンダムマイスター４人が、生きることへの決意をそれぞれが語っていく。

　宮野真守さんによる、刹那の新たな覚悟とタイトルコールが宣言されるとファナティックなギターサウンドとともにTHE BACK HORNがステージへ。ファーストシーズン第1期 EDテーマ「罠」を歌い上げ、ファンを一気に「00」の世界へと引き込んでいった。その後、三木眞一郎さんが登場。ス クリーンには墓前にたたずむライルの姿。そこへ重なるようにニールが弟ライルに向けた“心”が三木さんのことばによって紡ぎだされていった。兄ニールの願 いを受け取ったライルもまた、兄に向けロックオン・ストラトスとして生きることを誓う。
　三木さん渾身の「狙い撃て！」の後、ステファニーが現われ、ファーストシーズン第２期 EDテーマ「フレンズ」を伸びやかに歌い上げていた。

THE BACK HORNの迫力あるサウンドとライブパフォーマンスが、会場とファンの心を揺らしていた。

ニールとライル、２人のロックオン・ストラトスが抱く感情の機微を三木さんはみごとに演じ分けていた。「『00』を好きな方々がこれだけ集まってくださって、ステージの上からも緊張感が伝わってきました。そんな中でドラマができて、なおかつ2010年を迎えることができて、こんなに幸せなことはありません」（三木）

切なさが伝わってくる「フレンズ」。けどステファニー本人は、いたって元気でパワフルだった。「笑顔で楽しんでいってください。I love you!」（ステファニー）

　続いて高垣彩陽さんがフェルトの切なる願いを語っていき、ステレオポニーがセカンドシーズン第2期 OPテーマ「泪のムコウ」をバンドサウンドに乗せて歌っていく。その後のスクリーンには、アレルヤとマリー、そしてハレルヤの放浪の旅が綴られていく。吉野裕行さんと小笠原亜里沙さんの２人がステージに立ち、生きる意味、その答えを求めるアレルヤとマリーの姿を“声”で描いていった。アレルヤとマリーの心情と呼応するように、セカンドシーズン第1期 EDテーマ「Prototype」のサウンドが響き渡り、石川智晶さんの透明度のある鮮やかな歌声が流れていく。次のステージでは入野自由さん、神谷浩史さん、宮野真守さん、高垣彩陽さん、中村悠一さんがライブで演技を披露。そこでは劇場版へのキーワードになるようなものも。神谷さんによるティエリアのセリフから「新型のツインドライヴ」「ダブルオークアンタ」という気になるワードが!?　さらに宮野さんと中村さんによる、刹那とグラハム（ミスター・ブシドー）の競演が映像ともに繰り広げられていく。鬼気迫る演技の中、いたって真剣なグラハム、そしてミスター・ブシドーのセリフに会場からドッと笑いが!? だがこれも愛のなせること！
　最後に刹那から「俺はイノベイターとして、いやソレスタルビーイングのガンダムマイスターとして生きる。新たなるガンダム、俺のガンダム、ダブルオークアンタともに!!」と決意が宣誓され、会場から大きな拍手が。そしてセカンドシーズン第2期 EDテーマ「trust you」のメロディーが流れ、伊藤由奈さんが現われると大きな歓声が起こり、刹那の決意を祝福するような歌声が心に染みこんでいった。

女性メンバーによる力強いサウンドと歌声で、「00」の世界を東京国際フォーラムに出現させていた。

カウントダウンを前に、なぜか年越しソバを食べてきたかどうかにこだわっていた吉野さん。「今日、皆さんから大きな声援をいただきましたから、それだけのものをお返しできるように頑張ります！」（吉野）

ヒマワリのようなイエローの衣装でステージに立つ石川さん。「2010年も皆さんにとってよい年でありますように」（石川）

セカンドシーズンのラストを彩った「trust you」と伊藤由奈さん。会場ではチャーミングな笑顔を見せてくれた。

　ステージは一転して賑やかになり、オールキャストが登場。入野さんと高垣さんがMCを担当し、大晦日に「00」のステージで締めくくれることへの喜びに、皆一様にハイテンションだった。さらにステージには水島精二監督、脚本の黒田洋介さんほか「00」制作スタッフが勢ぞろい。キャストとスタッフが一堂に会したところで、いよいよ2010年に向けてカウントダウンへ。カウント０を迎えた瞬間、全員で「ダブルオー！」とコール。
　「00」の新たなる刻が動きだし、スクリーンには劇場版特報が流れるというサプライズが。会場はさらなる興奮に！　謎のキャラクターやセリフ、マイスターやソレスタルビーイング・メンバーの新たな戦いの予感、そして宇宙を駆ける新たなガンダムたち……。「00」劇場版への期待が最高潮に達したとき、UVERworldが本日のラストナンバーである、セカンドシーズン第1期 OPテーマ「儚くも永久のカナシ」を熱唱！　劇場版のテーマ曲をUVERworldが担当することも発表され、「00」劇場版が動きだしたことを実感できたステージとなった。

「ダブルオークアンタ」というワードを誰よりも早く言っていた神谷さん。緊張しつつもそれを楽しんだよう。「今日は皆さんにスッゲーパワーをもらったと思います。2010年の劇場版は今日もらったパワーで乗り切りたいと思います！」（神谷）

このフェスティバルは２回公演となっていたが、中村さんと宮野さんの競演で笑いが起こったのは、同じところだったとか。

ガンダム30周年を締めくくるイベントで、「00」ファンとカウントダウンを迎えることを喜んでいた宮野さん。「皆さんのパワーで、今年も『00』をめちゃめちゃ盛り上げましょう！」（宮野）

主題歌については、水島監督から劇場版のテーマや熱い思いを受け取り、すでに創作に取りかかっているとのこと。「みんなが映画を見たときに、ロマンチックな世界に浸れるような音楽を絶対つくってくるので、皆さん楽しみにしていてください！」（TAKUYA∞）