『閃光のハサウェイ』前に見ておこう！『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』からはじめるガンダム超入門（ネタバレ控えめ）

全国の映画館でドルビーシネマ形式やULTIRA形式で好評上映中なほか、ガンダムチャンネルでの無料配信やTV地上波での放送も決定した、今もっとも熱いガンダム作品と言えば、そう『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。

さらに、5月7日（金）からは、本作の続編とも言える『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の全国ロードショーも控えており、『逆襲のシャア』は今こそ要注目の作品と言っても過言ではありません。
夏はスイカ、秋は松茸が美味しい季節。それと同じように、今もっとも“旬”を迎えているのが『逆襲のシャア』なのです！

今回は、そんな『逆襲のシャア』…マニアックに言うと『逆シャア』を、ガンダム作品を全く見たことがない方に向けて徹底解説。少しでも「観てみたい！」と思ってもらえるように、作品の見どころをネタバレ控えめでコンパクトにまとめてみました。この機会にガンダムの世界に興味を持ってもらえると嬉しいです。

また、すでに『逆襲のシャア』を視聴済みの方には、本記事を活用して作品の魅力を“布教”していただけるよう、作品の背景や専門用語をなるべく簡単に解説しました。まだガンダムに触れたことのないお友達やお知り合いにシェアして、興味を持ってもらうチャンス！
もしかしたら、これをきっかけに『閃光のハサウェイ』を一緒に観に行く仲間ができるかもしれませんよ！

この記事を使ってガンダムの輪を広げましょう！

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は、1988年に劇場公開された、ガンダムシリーズ初となる完全新作の劇場用オリジナル作品です。

アムロとシャアというシリーズの主人公とも言えるふたりに焦点を当てて、『機動戦士ガンダム』（1979年）、『機動戦士Ζガンダム』（1985年）、『機動戦士ガンダムΖΖ』（1986年）から続く一連のストーリーの完結を描いています。複数のデザイナーが参加したメカニックデザインは現在でも高い評価を受けており、人気を集める機体が数多く誕生しました。
さらに、スペース・コロニーの描写に当時ではまだ珍しいCG技術が用いられるなど、意欲的な映像表現が試みられたほか、主題歌にTM NETWORKを起用したことでも注目されました。

【作品プロフィール】
・『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
劇場公開：1988年3月12日公開
上映時間：120分

本作の舞台となるのは、宇宙世紀（U.C.）0093。『機動戦士ガンダム』で描かれた地球連邦とジオン公国の「一年戦争」はU.C.0079から0080にかけての出来事なので、劇中ではアムロ・レイが初めてガンダムに乗り込んでから、実に14年の歳月が流れています。
この14年間の間に、地球とその周囲のスペースコロニーを始めとする「地球圏」は、幾度の戦乱を経験しました。

1つはスペースノイド（コロニーに住む人々のこと）への弾圧を行う地球連邦軍内の組織「ティターンズ」と、それに対抗するために結成された反地球連邦組織「エゥーゴ」、そしてジオン公国軍の残党により組織された「アクシズ」による三つ巴の戦いとなった、U.C.0087の「グリプス戦役」。こちらの戦いの様子は『機動戦士Ζガンダム』で描かれました。

もう1つは、先の戦争で漁夫の利を得る形となった「アクシズ」が「ネオ・ジオン」と名前を変え、「エゥーゴ」とのさらなる戦いへと発展した「第一次ネオ・ジオン抗争」です。こちらは『機動戦士ガンダムΖΖ』で描かれました。

一年戦争以降、立て続けに2つの戦乱を経験し、地球圏は大きく疲弊しました。ですがそれにも関わらず、地球連邦政府は何の対策も取らず、旧態依然とした宇宙棄民の姿勢を変えようとしませんでした。その現状にスペースノイドの反感は強まり、反地球連邦政府運動は次第に活発化。
かつて一年戦争で「赤い彗星」と呼ばれたエースパイロットであり、ジオンの正統後継者でもあるシャア・アズナブルは、そうした動きの求心力となってネオ・ジオンを再興。地球連邦政府に宣戦を布告しました。

シャアは地球の重力に縛られ自己中心的な支配を続ける人類を粛正するために小惑星「5thルナ（フィフスルナ）」を地上に落下させ、地球を寒冷化させてしまおうという恐るべき作戦を計画します。

『逆襲のシャア』の物語は、今まさに5thルナを地球に落とさんとするシャア・アズナブルと、一年戦争におけるシャアのライバル「アムロ・レイ」の戦いから幕が上がります。
史上最悪のテロ行為を仕掛けるシャアの真の目的は何なのか、アムロはその野望を阻止することができるのか。2人の最後の戦いの火蓋が切って落とされました。

ガンダムシリーズの過去作品では、変形したり、すごく大きかったり、もはや強いんだか弱いんだかよくわからないメカも数多く登場しました。ですが本作では、厳選された魅力的なモビルスーツが登場します。

また、両陣営共に「エース機」「準エース機」「量産機」といったラインナップでわかりやすく、メカを覚えやすい作品と言えるでしょう。

主人公機の「νガンダム」は2018年にNHKで実施された人気投票企画「全ガンダム大投票」のモビルスーツ部門で見事1位を獲得するなど、今なお非常に人気の高い機体です。
（ちなみにライバル機の「サザビー」は8位。こちらも敵の機体としては2番目の順位なので、根強い人気があります）

■宇宙世紀（U.C.）
宇宙世紀とは、『機動戦士ガンダム』シリーズにおける紀年法の1つで、略称はU.C.（ユニバーサルセンチュリー）です。宇宙への移民が開始された年をU.C.0001として、『機動戦士ガンダム』はU.C.0079、『逆襲のシャア』はU.C.0093が舞台となっています。世界観が共通しているので、他のガンダム作品を視聴する際は宇宙世紀何年頃の作品なのか？に着目してみると、以外な関係性を見つけられることもあります。ぜひチェックしてみましょう。
ちなみに、ガンダム作品には宇宙世紀以外が舞台となった作品も数多く存在しています。それらの作品ではC.E.やP.D.、はたまた西暦などさまざまな紀年法が用いられています。同じ「モビルスーツ」であっても、宇宙世紀のそれとは異なる技術体系によって作られていたりします。

■スペースコロニー
スペースコロニーは、人類が宇宙空間で生活するために作り上げた巨大な建造物です。複数のコロニーをまとめてコロニー群とし、それぞれのコロニー群は「サイド」と呼ばれます。地球の周囲に複数存在しており、1つのサイドでは数億人が生活しています。
『機動戦士ガンダム』の一年戦争の発端となったのは、巨大なスペースコロニーを質量爆弾として地球上に落下させる「コロニー落とし」と呼ばれる軍事作戦でした。コロニー落下の衝撃、およびこれに端を発する巨大災害によって、地球人類約40億人が犠牲になったとも言われており、このことから、スペースコロニーがいかに巨大かが想像できるかと思います。

■モビルスーツ（MS）とモビルアーマー（MA）

モビルスーツ（MS）とは、概ね18m～20m前後の人型兵器で、「ガンダム」や「ザク」が有名です。ビームライフルなどの銃火器や、ビームサーベル、ヒートホークなどの近接武器を用いて戦います。
モビルアーマー（MA）は、モビルスーツとは異なり人型ではなく多種多様な形状をしており、大きさもMSより小さなものから数百メートルに達するものまでさまざまです。

■ミノフスキー粒子
ミノフスキー粒子は、宇宙世紀に存在するとされる架空の物質です。散布することで通信を阻害し、レーダーを使用不可能にする作用があります。その結果、ミノフスキー粒子の影響下ではミサイルなどの誘導兵器が役に立たないので、機動兵器による有視界戦闘を行う必要があり、戦場におけるモビルスーツの有用性が高まっています。
ミノフスキー粒子は通信を妨害するだけでなくさまざまな利用方法が登場しており、ガンダム作品における設定の根拠として用いられることが多いです。

■ニュータイプ
ニュータイプは、非常に説明が難しいのですが、あえて乱暴に表現するなら「テレパシーや予知をはじめとした特殊能力を持つ者」といったところでしょうか。劇中でも「エスパーのようなもの」と表現されています。
言葉を交わさずとも意思疎通ができたり、視界の外の敵の気配を察知できたりします。作品内でも明確な定義や説明がなされていないので、はじめてガンダムシリーズを視聴する人にとっては面食らうかもしれません。
ニュータイプでなければ性能を発揮できないニュータイプ専用MSも存在し、宇宙世紀において非常に強力かつ危険な存在として警戒されています。

■サイコミュ
ニュータイプが発する特殊な脳波をキャッチして、モビルスーツやモビルアーマーの機体制御を可能にした、制御システムのことです。ミノフスキー粒子の環境下では通信が妨害されるため、本来であれば兵器を遠隔操作することはできません。ですが、サイコミュを用いて脳波を増幅させることで「ファンネル」などの遠隔兵器を操作できるほか、機体の操作にも用いることで、従来の反応速度を大きく上回る性能を発揮することができるようになります。
さらに、『逆襲のシャア』ではサイコミュを金属粒子に鋳込んだ「サイコ・フレーム」も登場。これらのテクノロジーは、物語に大きな影響を与えることとなります。

さて、ここまで紹介してきた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ですが、冒頭にもご説明したとおり、今週末の4月17日（土）にガンダム公式 YouTube チャンネル「ガンダムチャンネル」にて無料配信が予定されています。24時間のアーカイブ配信も予定されているので、この機会にぜひご視聴ください！

え！？今週末は都合がつかないですって？

ご安心ください。『逆襲のシャア』は、ガンダムチャンネルだけでなく、近日中に数多くの放送・配信が予定されています。無料で視聴できるチャンスがかつて無いほど用意されているので、この機会にぜひガンダムの世界に触れてみてください！

また、「せっかく観るなら大画面じゃなきゃ絶対に嫌だ！」というワガママなあなたには、現在全国の映画館にて上映されているDolby Cinema™（ドルビーシネマ）版とULTIRA版がおすすめ。最新技術により生み出される大迫力の映画体験をお楽しみください！
なお、ドルビーシネマ版では『閃光のハサウェイ』の冒頭15分53秒もオマケで見ることができますので、せっかくならこちらも見逃さないでくださいね！

そして、5月7日（金）より全国ロードショーの『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、『逆襲のシャア』を視聴しているとよりわかりやすく、より面白く、より深く物語を楽しむことができる作品に仕上がっています。『逆襲のシャア』には興味がなくとも『閃光のハサウェイ』は気になるという人は、ぜひ前日譚である本作を視聴してみてください。

また、もし本作から他の作品にも興味が湧いたのでしたら、『機動戦士ガンダム』に遡るもよし、『閃光のハサウェイ』を観るもよし、はたまたまったく別の作品に触れてみるのもよし。ぜひ、自分のペースで少しずつガンダムの世界を味わってみてください。

無限の楽しみ方があなたを待っていますよ～！

配信日：2021年4月17日（土）21:00～18日（日）20:59［配信終了］

・アニメ専門チャンネル「アニマックス」
放送日時：2021年5月1日（土）21:30～24:00
再放送：2021年5月30日（日）11:00～13:25

・日本テレビ「映画天国」
放送日時：2021年5月5日（水・祝）25:59～

・名古屋テレビ「メ～テレシネマ」
放送日時：2021年5月7日（金）25:34～

・ニコニコチャンネル
配信日時：2021年5月1日（土）12:00～

・ABEMA
配信日時：2021年5月9日（日）11:00～／21:00～／25:00～

【2021年4月9日（金）～15日（木）】
上映館：全国10館

鑑賞料：1,600円均一

※イオンシネマの上映スケジュールつきましては下記URLよりご確認ください。
https://www.aeoncinema.com/