つくづくお前は悪い子だ。

大人のやることに疑いを持つのはよくない

―― 鉄仮面（カロッゾ・ロナ）

（『機動戦士ガンダムF91』より）

ラフレシアに乗り、地球人類の抹殺を目論んだ鉄仮面（カロッゾ・ロナ）が、父に反抗する実娘セシリー・フェアチャイルド（ベラ・ロナ）に対して放った一言。仮面を被ってまでコスモ貴族主義に殉じた自身に対し、類義を持つのは子どものやることではないとカロッゾは説きました。ただ、素性も何もかも捨て「鉄仮面」に変わり果てた彼の言葉が娘に届くことはありませんでした。

カロッゾのセリフには、父としての威厳を示そうとする意思が窺えます。一方で、娘の忠告に一切耳を傾けず、人類の抹殺にこだわる姿は滑稽でもありました。鉄の仮面をかぶり、別人として生き抜く決心をしたカロッゾの、もう後に引けない気持ちもわかりますが……。ただ、自身の行動に絶対の自信を持つ場合、無闇に反抗を続ける子どもや部下に向かって、ときにはこのような言葉で制するのも効果的かもしれません。

（ガンダムインフォ編集部）