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2018年11月28日 (水)

ガンダムファッションチェック 第1回「ガンダム00編①」ガンダム00のファッションデザイン

第1回「ガンダム00編①」


①ガンダム00のファッションデザイン

― 民族衣装的な特徴がキャラクターの背景を感じさせる ―

 

『機動戦士ガンダム00』の服装は、作品内の時間経過とともに大きく変わっていくのが特徴です。ファーストシーズンでは、ガンダムマイスターや3大勢力に所属するキャラクターたち、全てがバラバラで、それぞれの過去に繋がるような特徴を持った服を着ています。それはつまり、キャラクターの「個性」をわかりやすく見せるための工夫でもあると思うのです。

例えば、主人公である「刹那・F・セイエイ」は、現実世界の中近東のイメージを想起させる色合いとデザインの服を着て、スカーフを巻いています。僕の中でスカーフやマフラーは、“ヒーローの象徴”というイメージがあって、『サイボーグ009』や『仮面ライダー』のように意味があるものです。さらに、服のデザインで興味を惹かれたのが、“袖口が広がっている点”ですね。男性物のシャツで袖が広いデザインを採用することは稀なので、これが刹那の「個性」にも繋がっていますね。

他にも、キャラクターごとに色の特徴を持たせていて、衣裳デザインに入れ込んでいるのはすごい工夫だと思いますね。

セカンドシーズンでは、組織が“3大勢力”から“国連軍(地球連邦)”へと集約され始めてきたことで、ファッションにも統一感が現れています。軍服や制服で活動するキャラクターが多くなり、あれほどバラバラだった“ソレスタルビーイング”と“ガンダムマイスター”まで、お揃いの制服を着用しています。これにより、チームとして「成長」していることが感じられるようになっています。ストーリー展開にも沿ったコーディネイトで、とても感心させられます。

そんな中で異彩を放っているのが、「ミスター・ブシドー」と「マリナ・イスマイール」でしょう。両者に共通するのは“ファッションに未来感がある点”で、海外のファッションコレクションというか、例えばパリコレのように、現実世界ではあまり着ないデザインなのです。トリニティ3兄妹のファッションも同様です。アニメーションだからこそあり得るデザインとも言えますが、これが不思議と成立してしまうのが、ガンダムシリーズの凄いところだと思います。色使いにひと工夫されていることも、大きなポイントになっていますね。

基本的にファッションでは、「色相」(色合い)を合わせるのではなく、「彩度」(色の鮮やかさ)を合わせることを重視します。簡単に言うと、同系色の色で上から下まで揃えてしまうとダサくなりがち。現実世界では、素材を変えることでまとまりやすいのですが、アニメーションで素材感まで表現するのは難しいと思います。そこで、まるで異なる色でも彩度を合わせることによって、不思議と違和感がなくなります。

例えば、「ティエリア・アーデ」の普段着は、淡いピンク色のカーディガンに黄緑色の開襟シャツという組み合わせ。色だけ見ると着こなしが難しいのですが、彩度を合わせることでこの違和感をなくしています。性別が曖昧なキャラクターであり、髪色に特徴のある紫色を使っているからこそ、この色の選択をされたのでしょうが、とても参考になる組み合わせです。

 

次回、第2回「ガンダム00編②」服のセンスでわかるキャラクターの性格は、12月5日(水)更新予定!お楽しみに!

 

 


三浦 玄

スタイリスト。数々のドラマ、映画、舞台、写真集など幅広いジャンルで活躍中。

1983年生まれ、群馬県出身。主な仕事に、「仮面ライダー鎧武/ガイム」や「仮面ライダードライブ」、「スモーキング」、「ハゲタカ」など。

大のガンダムファンで特に好きな作品は『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』。

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