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2019年06月25日 (火)

初公開を多数含む3,000点超を圧巻の展示!展覧会「富野由悠季の世界」イベントレポート

開会式には富野監督らが登場!

 

『機動戦士ガンダム』、『ガンダム Gのレコンギスタ』などの「ガンダム」シリーズの他、『伝説巨神イデオン』、『聖戦士ダンバイン』といった数多くのオリジナルアニメーションの総監督を務め、国内外のアニメシーンに多大な影響を与えた富野由悠季監督のこれまでの仕事を回顧、検証する初の展覧会「富野由悠季の世界」が、6月22日(土)に福岡市美術館でスタートした。

 

会場では、虫プロダクションに入社して『鉄腕アトム』制作に関わった駆け出しのころから現在に至るまで、55年間に渡る富野監督の仕事を通覧。これまでに監督してきた各作品の映像的特質を、直筆の絵コンテや伴走したクリエーターたちのデザイン画、原画、撮影に使われたセル画などの原資料を元に検証している。

 

さらに、自らの作品世界を掘り下げた小説、主題歌などの作詞、様々な分野の人々との対話など、監督のマルチな活動と才能にも焦点を当てる。時代や人々に与えてきた影響と、監督が訴え続けたメッセージとは何かを紐解く展示となっている。

初日となった6月22日(土)には、開会式も実施。福岡市美術館・中山喜一朗 館長、西日本新聞社・大久保昭彦 企画事業室長、九州朝日放送・二木清彦 常務取締役に加え、富野由悠季監督、公益財団法人 福岡文化財団・重藤健士 専務理事、サンライズ・佐々木 新 常務取締役が登場した。

 

本展の主催である福岡市美術館の中山館長は、開催にあたり『機動戦士ガンダム』劇場三部作を見返し、戦争と、それに巻き込まれた人間群像、愛と死、挫折と成長といった、極めて人間的な世界が描かれていることを再確認した、と切り出す。キャラクターたちが生き生きと描かれていることが、富野作品が世代を超えて長い期間愛されてきた理由ではないか、と指摘し、3,000点を超える展示は福岡市美術館史上最大規模となっており、訪れるファンの人たちが出てこられなくなるのでは?と心配になるほどのボリュームがあると紹介。最後に、「この展覧会は、富野監督ひとりの展覧会ではなく、アニメーションに関わった多くの方々のための展覧会でもある」と語っていた。

 

富野監督は、これだけの数のスタッフが協力してくれて、彼らの力が無ければ「世界」を表現することができなかったんだと実感しており、集大成のものをひとつの場で見ることのできる展示になっている、と述べた上で、「楽しんでくれ、とは言いません。かなり面倒くさい展示になっております。ですので、ご覧になる方は覚悟して見てください」と、詰め掛けた来場者の笑いを誘った。

開会式後には関係者による内覧も実施。富野監督もギリギリまで展示内容をチェックし、開幕に備えた。展覧会がスタートすると、入場者が長蛇の列を作り、展示のひとつひとつを細かく興味深げに見ている様子がうかがえた。

 

福岡市美術館での会期は、9月1日(日)まで。その後、兵庫、島根、青森、富山を辿り、2020年9月から開催される静岡県立美術館まで、全国を巡回する。

 

なお、同日開催されたオープニング記念トーク「富野由悠季とは何者なのか?」の模様は、後日レポートするので、お楽しみに。

富野由悠季監督一問一答

 

■会場を目の当たりにしてどう思うか?

原画ひとつとっても、並べられて、他の作品と対比できることによって、制作当時と印象が全然違う。その時その時で良いスタッフが手伝ってくれたから、まさに「富野由悠季の世界」展ができているんだと教えてもらえたので、やはり人との出会いってとっても大事なんだなってことを痛感させられました。

 

■自分の名前の展覧会をどう思うか?

嫌なもんですよ。大人の世界の嫌味を受けているんじゃないかと思ったんですけど、声をかけていただけたことに関してだけは嬉しいです。

美術館という日常でない空間に作品を並べられた時に、制作スタジオで見ていた時のプランニングや絵の見え方と異なり、人との関係性が創作の世界を作っていると思い知らされました。こういう異空間でやってもらうことにより、そういう自覚を手に入れることができたというのは、感謝しています。自分自身が、見間違わないで、自分のできることを死ぬまでやらせてもらえるようにしたいと思います。

 

■ご自分で描いた絵コンテやラフ画がたくさん展示されていますね

絵描きにもなりたいと思った瞬間もあって、挫折したという精神的なキャリアも重々承知していますので、そういうものを見るのはとても嫌です。この嫌悪感は、なまじでないくらい嫌です。だけれども、異空間の中で対比させられている時に、比較することができるんです。絵描きとしての自分の悟性の問題じゃなく、ディレクターの目線を自分の中に持てているから、比較論で冷静に見られるんです。「これは人に見せるものではなく、ディレクションの方向性を示すためのものなんだ」と、認識論として容認はできます。

 

■安彦良和さんの原画なども展示されていますが?

ディレクターの目線は、そういう意味で凄まじいですよ。間違いなく自分より技量が上で、正確に絵コンテの意味を読み取って作画してくれている安彦というアニメーターは偉い、という風に判定ができるんです。しかし、安彦・湖川レベルの絵を描いてもらわなければ困るという基準にもなっちゃう。それは大変ですよ。

 

■来場者へメッセージを

館長から「今日来ているファンは、ふだん美術館に来ない人です。そういう方々が来てくれてとても嬉しい」と言われて正直ホッとしました。絶対に面白いはずだから、親族・一族郎党、女房子供を連れて来てください。「高邁な哲学が含まれているかもしれないから、『富野由悠季の世界』見に行った方がいいよ」と広めて欲しい。

 

■最新作は?

この1年、映画版の『ガンダム Gのレコンギスタ』を編集していたんですが、付け加えたことがあります。それはこの展覧会には入っていないのですが、これは現役の矜持です。付け足し分は、次の会場で追加されるかもしれません。

 

■福岡で開催されることへの想い

『機動戦士ガンダム』は名古屋テレビ発で、ある人に「名古屋から始まったガンダムが今回の展覧会で福岡まできて、一巡しましたよね」と言われてハッとしました。流行・芸能というのはみんな地方発なんです。これでようやくいっちょ前になるかな、といううぬぼれもあります。富野流の言い方をしますと、八百万の神が背中を押してくれている、という実感があります。

 

 

展覧会「富野由悠季の世界」開催概要

 

【開催情報】

  • 第1会場

福岡市美術館

会期:2019年6月22日(土)~9月1日(日)

  • 第2会場

兵庫県立美術館

会期:2019年10月12日(土)~12月22日(日)

  • 第3会場

島根県立石見美術館

会期:2020年1月11日(土)~3月23日(月)

  • 第4会場[予定]

青森県立美術館

会期:2020年4月18日(土)~6月21日(日)

  • 第5会場[予定]

富山県美術館会場

会期:2020年7月~9月

  • 第6会場[予定]

静岡県立美術館

会期:2020年9月~11月

 

【公式サイト】

http://www.tomino-exhibition.com

 

【協力】

サンライズ、東北新社、手塚プロダクション、日本アニメーション、オフィスアイ

 

【企画協力】

神戸新聞社

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